田倉卓 写真展 Takura Takashi Photo Exhibition
2018.7.31(火)~8.10(金)開廊:12:00~19:00(月曜休廊・最終日17:00まで)
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モノクロ写真とカラー写真
モノクロのドキュメンタリーフィルムで見るナチス総統ヒトラーは 深刻ぶったいっぱしの人物に見えます。
一瞬、神々しく見える瞬間すらあります。
ところがデジタル技術で可能となったカラーフィルムでは かなり印象が違います。
どこかの変なオジサン然で 色つきのせいで身近に感じられる分 何か大変薄っぺらな人物像にしか見えません。
実はこれがモノクロ表現とカラーのそれとの間の落差なのです。
モノクロ表現には強い暗示性と象徴性があるのに カラーのほうにはないのです。
色彩による民主主義があるだけで 何となくペターッとした感じが否めません。
このようなペターッとした世界の中でことが進んでいき わめき散らしてばかりいるこの珍奇な男の正体に皆が気付いた時には すでに手遅れだった、、、
このあたりの事情は皆様ご存知の通りだと思います。
私がモノクロからカラーへ写真作法を転換した事情は このヒトラー像の違いの例えの内にあります。
眼前で日々繰り広げられるスペクタルには全て色がついており ペターッとはしていてもこれが世界なんだというならば やはりカラーによる表現を推し進めるしかない。
その過程でモノクロ表現が持つ力学を追求するべきではないか、、、
約 45 年前の一写真家のささやかな決めごとを披露した次第です。
2018 / 7 田倉 卓
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