羽藤 雅敏展 Masatoshi Hato Exhibition
2023.9.5(火)~9.17(日)開廊:12:00~19:00(月曜休廊・最終日17:00まで)
視ることと持続 〈個展前の覚書 2023.8〉
始まりの一筆にいたるまでの優柔不断な時間、次が見えず画面を見るだけの息苦しい時間、目を逸らしやり過ごす時間、描くために描く疲弊の時間、目を閉じて休む時間。
前回の個展の折、ある方から前田英樹著『ベルクソン哲学の遺言』(2013)を紹介してもらった。その中の「持続」の概念は、私の制作時間と重なり親近感を持つことができた。解らなさの空白の視る持続は、制作そのものとして考えるようになった。
色彩と物質性はやや切り分け、図解的なものも考えず、素朴に色彩によって空間を組み上げる。制作を通じ、不足の「色価」の解釈を深めるように、主観的にも絵画としての絵画を指向する。
ハンガリーの映画監督、タル・ベーラが2019年来日した際に行った取材を掲載したネット記事※を最近読んだ。「私は、芸術というものを信じていません。芸術家という言葉は好きではありません。私は労働者です。作品を作るときには、人間の存在、世界がいかに複雑であるかを見せる努力をしてきました。」今年の年末こそ長編映画『サタンタンゴ』を観賞したい。
引用元 ※シネマジャーナル インタビュー&記者会見報告
2019年9月16日『サタンタンゴ』タル・ベーラ監督来日記者会見
羽藤雅敏 / Masatoshi Hato
1977 神戸市生まれ
2008 大阪芸術大学美術学科卒業
《個展》
2010 ギャラリー現(東京)(2011年)
2013 人形町ヴィジョンズ(東京)(2015年、2018年)