松浦 茜 展 くうきの密度、そのリズム Akane Matsuura Exhibition

2024.6.29(土)~7.7(日)開廊:12:00~19:00(月曜休廊・最終日17:00まで)

くうきの密度、そのリズム

何かを認識しようとする目や手、身体の感覚。

日々の生活では、意識せずに受けとっている感覚を、描くことで再確認しているように思う。
私の場合、感情、思考よりも、“感覚”が描くための動機となっている。
身体の外側から受け取ったあらゆるものが、言葉にはならない信号として身体の内側にひびいて、動作にはたらきかけてくる。
その感覚をじっくりと確認することは、生きている感覚をなぞっているようにも感じられる。
私が描きたいものは、こういった信号の役割になる絵画なのかもしれない。

今回のシリーズは、和紙のドローイングからはじめた。
対象である一枚の写真をひきのばしたときに現れた抽象的な形を、様々な大きさ、部分に切り取りながら描いている。
水が滲んで、紙の上を絵の具が伝わっていくスピード、距離、水分量は、絵の中の空間の密度により変化する。
そこから受け取った感覚を、油彩に展開していった。3種の太さの麻紐、3種の隙間のサイズで作成したオリジナルの支持体、市販のドンゴロスに描く。

絵を支えている、縦と横に組まれた紐がゆるんでいるとき、イメージとして理解していたものが、ばらばらの色、素材に感じる。反対に、紐の隙間が結びついているとき、なにかのイメージが連想される。
また、小さな枠の中で大きく見えることは、大きな枠の中では小さく感じられ、遠くで空気の中に吸収され、混ざりあっていたものは、近くで見ると分解され、ひとつひとつの形となって現れる。
それらの現象を行き来し、描いていった。

そして、それぞれの絵をこの白い空間に並べ、絵の外側から観察してみることで、今ここにあるくうきの中にどのようにひびき、はたらきかけることができるのだろうか。

とらえようもなくゆらぎつづける感覚を知覚できずとも、そのままに受信できる場を作りたい。

  • ・支持体の説明 / 資料図抜粋

松浦 茜 略歴

2016  京都市立芸術大学大学院修士課程美術研究科 絵画専攻 油画 修了

個展 /
2023  松浦 茜 展 くうきをむすぶ絵 /LADS Gallery大阪
2023  霞の中で、みつけた色 /GAMOYONGallery大阪
2022  イメージの隙間 /LADSGALLERY 大阪
2019  荒涼とした地に、朧々(ろうろう)と線をひく。 / ギャラリー崇仁(元崇仁小学校内)
2015 Close to silence 賑やかなしじま / ギャラリーモーニング(京都)

グループ展 /
2023  オオサカアートフェスティバル Art Exhibition &Fair / 大阪府立江之子島文化芸術創造センター(enoco)
2023  下京渉成小学校作品展 /京都市立下京渉成小学校
2021  水無瀬神宮文化財特別拝観 −風と光と文化財の融合展− / 水無瀬神宮 客殿内(大阪 島本町)
    ※緊急事態宣言により一般公開は中止
2019 OPEN STUDIO×10 / ウズマキスタジオ(京都)
2018 OPEN STUDIO×4 / ウズマキスタジオ(京都)
    ARTISTS’ FAIR KYOTO: BLOWBALL ART MEETS WINTER
    −BOOK AND ART− / タイム堂(京都)
2017 その後の、未来の途中 / 京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
    OPEN STUDIO×5 / ウズマキスタジオ(京都)
    未来の途中の星座 美術・工芸・デザインの新鋭9人展 / 京都工芸繊維大学 美術工芸資料館
2016 同時代・アンデパンダン展 / 同時代ギャラリー(京都)
2015 京都銀行美術研究支援制度15周年展覧会
    京銀コレクションの15年 / 京都銀行桂川キャンパス

その他 /
2018~2022年 ホテルグランヴィア × 京都市立芸術大学 アートワークスプロジェクト 客室展示 / ホテルグランヴィア大阪
2015 京都銀行美術研究支援制度 2015年度購入作品選抜

関連リンク /