ティムサトミ作品展 素材の冒険 Tim SATOMI exhibition

2018.6.9(土)~6.17(日)開廊:12:00~19:00(月曜休廊・最終日17:00まで)

装うという言葉は、飾ることであると同時に、また偽る、見せかけるということをも意味している。刺繍作家であるティムは、この装いの二義性を、たとえばフェティッシュとしての小動物に体現させる。それは限りなく愛らしく、また無気味なまでにいかがわしい。素材をあくまでもそのディテールにおいて深く生理的に把握し、表層に蝟集させる彼女の手は、小動物たちに深夜の精気を与え、異相の空間を徘徊させる。装いこそが力なのだ。それは事物を華麗なる謎として封印し、われわれの目と手を幻惑する。- 建畠 晢 -

手の動きの記録。
それが繍うということだ。
ティムの作品は、布という大海原に束の間現れる身体の航跡波である。
ホイジンガが言うように、言葉は詩から生まれ、社会は遊びから生まれたのだとしたら、
「詩の匂いを刺繍する」ティムの作品は、糸というラインが記述なのか、
あるいは線描なのかという根源を問う作業だろう。
それは彼女が作品の中に縫い込めたもっとも大切で繊細なメッセージである。
-萩原朔美-

すえたる蛤